センターの役割と概要
脳卒中・心臓病等総合支援センターとは
島根県において、島根大学医学部附属病院を中心に「脳卒中・心臓病等総合支援センター」が新たに設置されることとなりました。
このセンターは、脳卒中や心臓病などの循環器疾患に関する医療・生活・社会的支援を包括的に提供する拠点として、地域住民の健康と生活の質の向上を目指します。
センターの概要と使命
脳卒中や心臓病は、突然発症し命に関わることもある重大な疾患であり、発症後の生活には医療的・社会的な支援が不可欠です。総合支援センターは、患者・家族が抱える不安や課題に対して、医療・福祉・就労・介護など多方面から支援を行う「地域の相談窓口」として機能します。
島根大学病院が主体となることで、専門的な医療知識と地域医療ネットワークを活かし、迅速かつ的確な支援が可能になります。
センターは、医師・看護師・医療ソーシャルワーカー・保健師・行政担当者など多職種が連携し、患者一人ひとりに寄り添った支援を提供します。
主な役割
医療相談・情報提供
病気の理解、治療方針、予後、再発予防などに関する相談を受け付け、信頼できる情報を提供します。
生活支援・福祉制度の案内
障害者手帳、介護保険、医療費助成制度などの利用方法を案内し、生活の安定を支援します。
就労支援・社会復帰支援
治療と仕事の両立、復職支援、職場との調整などをサポートし、社会参加を促進します。
地域医療機関・行政との連携
地域のかかりつけ医、訪問看護、リハビリ施設、行政機関と連携し、切れ目のない支援体制を構築します。
患者・家族への教育・啓発活動
セミナー、パンフレット、動画などを通じて、疾患への理解を深め、予防や早期対応を促します。
島根県における意義
島根県は高齢化率が高く、脳卒中や心疾患の罹患率も全国平均を上回る傾向があります。こうした背景のもと、総合支援センターの設置は、地域の医療体制強化と住民の安心につながる重要な取り組みです。特に、出雲市を含む中山間地域では、医療資源の偏在や情報格差が課題となっており、センターが仲介役となることで、地域全体の支援力が向上します。
今後の展望
センターは今後、地域住民・医療機関・行政・教育機関との連携を深め、支援の質と範囲を拡充していく予定です。また、患者会や当事者団体との協働により、当事者目線の支援や啓発活動も強化される見込みです。島根大学病院の研究・教育機能を活かし、エビデンスに基づいた支援モデルの構築と全国展開も視野に入れています。