わたしたちの活動

循環器領域におけるセンターの活動

循環器領域における総合支援センターの活動

虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、弁膜症、不整脈、心筋症、心不全、肺高血圧症、大動脈疾患といった循環器疾患は、突然の発症や慢性的な経過をたどることが多く、医療的な対応だけでなく生活・就労・社会的支援が必要です。総合支援センターは、患者・家族が抱える多様な課題に対して、以下のような活動を通じて包括的に支援します。

1. 医療連携・治療支援

  • 急性期から慢性期までの医療機関間の連携を強化し、地域連携体制の整備を推進。
  • 心不全や不整脈など慢性疾患に対する継続的なフォロー体制を構築。
  • 心臓リハビリテーションの普及と地域施設との連携支援。

2. 生活支援・療養環境の整備

  • 心不全患者の在宅療養支援(体重・血圧モニタリング、栄養指導、服薬管理など)。
  • ペースメーカや植込み型除細動器(ICD)など医療機器の管理支援。
  • 生活習慣病との関連を踏まえた予防・再発防止の啓発活動。

3. 就労・社会復帰支援

  • 心疾患による就労制限や職場復帰に関する相談対応。
  • 障害者手帳取得や医療費助成制度の案内。
  • 職場との調整や合理的配慮の提案を通じて、働き続けられる環境づくりを支援。

4. 多職種連携・地域ネットワーク構築

  • 医師、看護師、薬剤師、栄養士、MSW、リハビリスタッフなどによる多職種連携体制の構築。
  • 地域のかかりつけ医、訪問看護、行政機関との情報共有と連携強化。
  • 患者会や市民団体との協働によるピアサポートの推進。

5. 教育・啓発活動

  • 心疾患の予防・早期発見に関する市民向け講演会やセミナーの開催。
  • 若年性心疾患や希少疾患(例:QT延長症候群、心アミロイドーシスなど)に関する情報提供。
  • 学校・職場・地域コミュニティにおけるAED講習や救命教育の普及。

島根県における意義と展望

島根県では高齢化が進み、心不全や心房細動などの慢性循環器疾患が増加傾向にあります。中山間地域では医療資源の偏在が課題となっており、総合支援センターがハブとなることで島根大学病院の専門性と教育・研究機能を活かしながら、地域全体の支援力が向上することが期待されます。今後は、患者・家族・医療者・行政が連携し、誰もが安心して暮らせる循環器疾患支援体制の確立を目指します。

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