わたしたちの活動
リハビリテーション領域におけるセンターの活動
リハビリテーション領域における総合支援センターの活動
脳卒中や心臓病などの循環器疾患は、発症後に身体機能や認知機能の低下を伴うことが多く、生活の質(QOL)を維持・向上させるためには、早期かつ継続的なリハビリテーションが不可欠です。総合支援センターは、急性期から生活期までの切れ目ないリハビリ支援を地域全体で実現するため、以下のような活動を展開します。
1. 急性期から生活期への移行支援
- 急性期病院での早期リハビリ開始を促進し、回復期・生活期へのスムーズな移行を支援。
- 地域連携パスの整備により、医療機関間の情報共有を強化。
- 退院後の生活環境に応じたリハビリ計画の立案と支援。
2. 在宅・地域リハビリ支援
- 訪問リハビリや通所リハビリとの連携を通じて、在宅療養者の機能維持を支援。
- 地域包括支援センターや介護事業者との協働により、生活環境に応じた支援体制を構築。
- 自助具や住宅改修に関する相談・助言を実施。
3. 高次脳機能・心臓リハビリへの対応
- 脳卒中後の高次脳機能障害(記憶障害、注意障害、遂行機能障害など)に対する評価と訓練支援。
- 心不全や心筋梗塞後の心臓リハビリテーションの普及と地域施設との連携。
- 精神的ケアや社会復帰に向けた心理支援も含めた包括的対応。
4. 就労・復学支援との連携
- リハビリ専門職と就労支援機関が連携し、復職・復学に向けた段階的支援を実施。
- 作業療法士による職場環境評価や合理的配慮の提案。
- 学校復帰に向けた教育機関との調整支援。
5. 多職種連携・人材育成
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、医師、MSWなどによる多職種連携体制の構築。
- 地域医療機関・介護施設との勉強会や研修会を通じた支援力の向上。
- 他施設からの研修生受け入れや指導を通じた地域全体のリハビリ水準の底上げ。
6. 市民啓発・予防活動
- 地域住民向けの転倒予防教室、運動指導、生活習慣改善セミナーの開催。
- リハビリの重要性を伝えるパンフレットや動画の作成・配布。
- 若年者や働き盛り世代への予防啓発活動の展開。
島根県における意義
島根県は高齢化率が高く、脳卒中や心疾患の後遺症による要介護状態の増加が課題となっています。中山間地域ではリハビリ資源の偏在も見られ、総合支援センターがハブとなることで、地域全体のリハビリ支援力が向上します。島根大学病院の専門性と教育機能を活かし、エビデンスに基づいた支援モデルの構築と地域展開が期待されます。